資産運用

【 資産運用入門 】みんなしてる勘違い! サルでも分かるESG

GrandJourneyのトミーです。

私は以前、金融機関に勤めており

個人、中小企業、上場企業等、幅広く担当させて頂いておりました。

今回はその中でも声の多かった「ESG」についてお話させていただきます。

ESGって最近よく聞くけど何のことかわかりませんよね?投資家目線?企業目線?

資産運用でも「ESG投資信託」という商品が出ていたり、

企業の決算発表や中期経営計画の中にESGへの取組が書いてあったり…

私は運用対象としてのESG商品の提案の経験もありますし、企業に対してESGへの取組の提案もした事がありますので分かりやすくお伝えしたいと思います。

あまり金融知識系の記事は記載するつもりはなかったのですが、書いてほしいとの声が大きかったのでとりあえず「超初心者向け」に記載したいと思います。

明日からすぐ使える事を選んで書いてますので、ぜひすぐ実践してみてくださいね

ESGの前に…これまでの日本企業

ESGを語る前にこれまでのお話します。

企業には様々な利害関係者がいます。※これをステークホルダーと言います

まずどんなステークホルダーがいるのか分からない方は下の記事をチェック!

※ご参考 大切なものは 損益計算書 で見極めろ!

これまで特に重視されてきたのが、「株主」と言われる会社の持ち主たちです。

資本主義ではお金を持っている人たちが、会社を立ち上げ、お金をそこに出資します。

経営陣を選定し、報酬を払い事業をやってもらいます。

会社が一生懸命利益を上げることで、「株式」の価値が上がり、それを誰かに売却することで株主が儲かる

という仕組みです。

この絵はバランスシートと呼ばれるもので、何でお金を集めてなにに使ってるの?

というものを記載した財務諸表です。

よく耳にした「ROE」というのは「株主資本利益率」の略で、

株主のお金からどれだけ利益出せるの?といった指標でした。

伊藤レポートでROE8%と騒がれてからどの企業もROEを目標に掲げ、

最近ではWACCやROICといったものを言っています。

※声があれば今度記事にしますね

本題のESGとは

ではESGとは何なのか?

少し堅い話をすると

これは「E:環境」「S:社会」「G:企業統治」の頭文字であり、

「持続的成長に向け、環境や社会に配慮した経営をするべき」という取組です。

これじゃあ何言っているのかわかりませんよね?

今までの日本は、とにかく利益至上主義で「財務(自分たちの事)」しか考えていませんでした。

しかし、働き方や環境汚染など、世界では様々な事がおこっており、

経営においても「非財務(環境・社会)」にちゃんと着意をもってやれよ!という事です。

これでも何言っているのかわかりませんよね?

皆さんが学生だったら、テストでいい点をとらないといけませんよね?

でも、自分の事ばかり考えて、掃除をサボって勉強したり、

クラスのいじめ問題を無視したりしたらクラスが上手く運営されませんよね。

なので、テスト勉強もしないとダメだけど、掃除もちゃんとして、いじめ問題もちゃんと取組なさい!という事なんです。

慈善活動をやれってこと?

ただ、1つ勘違いしないでほしいのは、

ESGは何もボランティアをして世界をよりよくしよう!というものではありません。

むしろ逆で、

ESGは自分たちのビジネスの延長線上にある環境リスクや社会リスクに対して

長期的目線で取り組んでいるんです。

昔、世界の気温が3℃上がると殆どの保険会社が倒産してしまうという話しを聞いたことがあります。

理由は今のリスクに対する保険料の支払い基準だと、気温が3℃上がることで、保険金の支払いが大量に発生するからだそうです。

※確かな情報ではありません

そう考えると、長期的に保険会社が地球温暖化対策をすることに関しては違和感ありませんよね?

自分たちの時代だけじゃなく、何百年続く社会の為に取り組んでいこうという取り組みなんです。

学生のあなたが、実はアレルギー性鼻炎を患っていたとして、

もし掃除をサボって勉強をしていたら

いざテストの時に、頭痛や鼻水がとまらなくなり、テストがうけられなくなるリスクがありますよね?

だったらちゃんと自分を考えるなら勉強だけをするんではなく、掃除もちゃんとやりましょうね

という事です。

もはや取り組まない企業はない

ESGはその会社がやればいいだけではありません。

いわゆるサプライチェーン(取引先)がやっていれば、勿論影響してきます。

例えば、取引先がESGに力を入れていて、環境破壊のリスクがある商品は仕入れない!

と言い出したらどうでしょう?

自社の商品がESGに対応してなければ、仕入先から外されてしまうかもしれませんよね。

特に今はグローバルな時代であり、ESGは海外では当たり前になってきています。

データとしてもESGに取り組んでいる企業のほうが、利益率が高いというものもあります。

出所:年金積立金管理運用独立行政法人「2019年度 ESG活動報告」

日本だけ

「そんなの儲かってる先が余裕あるから取り組めるだけで、ニワトリが先か卵が先かでしょ!うちはやらない!」

なんて言ってられる状況ではないんです。

ただ最近はちょっとESGアピール合戦になって本質を失っているんじゃないか、、、と思うところもありますが、

企業の方も、投資をしたい方もESGはよく勉強しておきましょう!

まとめ

ポイントは3つ

1.ESGは非財務情報への取組

2.慈善活動・社会貢献をしろ!ってわけではない

3.もやはしないと商売が成り立たなくなるリスクあり

いかがでしたか?

明日からESGの言葉が出てきたらチェックしてみてください。

もしお悩みの事や課題に感じていることがあれば

お気軽にツイッターまたはコーポレートサイトのお問い合わせフォームからご連絡くださいね